鈴鹿 芳康
Issue 59
Interaction
写真家・鈴鹿芳康は、仏僧の合掌にインスピレーションを得た。祈る手が、その人の全体 を表すと感じた鈴鹿は、8x10インチサイズのビューカメラで僧侶、友人、学生たちの手 の写真を撮り始めた。被写体となる人物の年齢、人柄、性別に関わりなく、その人が目を 閉じ両手を合わせて祈ると、誰もが同様の落ち着きと静穏さを帯びるということに、 鈴鹿は気づいた。
鈴鹿は、このシリーズを『Interaction』と呼んだ。祈り、合掌する手の形は、すなわち左 と右、心と体といった正反対のものが一体化することであり、それが均衡と平穏をもたら すからだ。この子宮にも似た形をした祈りの「器」は、あらゆる信仰に見られ、崇敬、嘆 願、従順を表す。このシリーズの鈴鹿の写真は、KJ 59号、72号(第九条平和憲法特集 お よび92号(Devotion特集)に掲載されている。また82号には、彼の芸術手法についての インタビュー記事がある。
website: yasusuzuka.com
instagram: @yasu.suzuka