The primary threat to nature and people today comes from the centralizing and monopolizing of power and control. Not until diversity is made the logic of production will there be a chance for sustainability, justice, and peace.
—Vandana Shiva

Kyoto Journalは、2010年10月に名古屋で開催された、130カ国の代表者が参加する歴史的な国連主催の生物多様性保護に関する会議(COP10)を支援するために、75号全体を特集として捧げた。寄稿を呼びかける中で、ジョン・アイナーセンは次のように記している。

「このような規模の会議には大きな期待が寄せられますが、コペンハーゲンが証明した様に、どんな規模の会議でも失敗する可能性があることを忘れてはなりません。名古屋での成果を確実に(検証可能かつ法的効力を持つものに)するために、我々に何が出来るでしょうか?」 

これに応じ、KJスタッフおよび寄稿者は、このテーマをとことん追及した内容が満載の、非常に美しい号を作り上げた。 里山 (人間の居住がその土地の生物多様性を高めるという、日本の伝統的な土地管理の形態)に関する記事はその1つである。KJ 75号800部が名古屋に運ばれ、スタッフにより会議の参加者に無料で配られた。ある代表者は友人にメールを送り、「会議で最も良かった事は、どういう訳か自分の手元に届いたこの美しい雑誌だった」と伝えたという。

COP10の成果は、激しく議論された名古屋議定書の採択により、期待を上回る結果となった。 

この号では、ウェイン・レヴィンの素晴らしい海中写真が特集された。彼はハワイで素潜りをして、群れをなす魚のアクレ(メアジ、学名:Selar crumenophthalmus)の驚くべき写真を捉えている。 Selar crumenophthalmus):      

「アクレは15センチほどの魚で、数百匹から十万匹にも及ぶ群れを奇跡的に形成する。これらの密集した群れは、驚異的な調和をもって動き回る。全体として見ると、群れはまるで生きた彫刻の様に、捕食者が近づき、かかって来るたびに形を変えていく。これらの群れを撮影するうちに、私は「個々とは何か」という疑問を抱くようになった。アクレの群れは、一つの巨大な生命体のように見え、その動きには驚くほどの統一性がある。まるで、一匹一匹の魚が、より大きな生物の細胞のように思えてくる。このコンセプトが、生命全体、そして私達の相互的な繋がりについて、どのような意味を持つのだろうかと考えずにはいられない。」

Original layout in Kyoto Journal 75 Biodiversity - 2010

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親子

Documenting Minamata with Eugene Smith
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Miksang

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