マイカ・ガンペル
Issue 70
古都の街で過ごした年月が、思いやりと優しさで人を包み込む
Interview by Jane Wieman
Kyoto Journal は毎号で詩を掲載してきた。半世紀以上京都に暮らした詩人のイーディス・シファートは、京都についてこの上なく美しい英語の詩をいくつも残した。イーディスは多数の詩集を発表し、与謝野蕪村の俳句の英訳も手がけた。 Kyoto Journalは、 創刊号でイーディスのインタビュー記事を掲載し、50号の『Transience』では、彼女の長編詩『Land』を発表した。2017年9月1日永眠。享年101歳。この、繊細で慈愛に満ちた彼女の写真は、京都在住の写真家マイカ・ガンペルが70号のために撮影したものである。
吉田山
遠き鐘の音
春に目覚め
山寺の
静かさ響き
人もなし
比叡の心
永劫を洗い流す
砂として
猫の目の
黎明徐々に
明け行くや
峯の樹に
雨やわらかし
鳥に鐘
花の香の
満つるも地には
和こそ無し
instagram: @micahag